瓦の特徴

瓦の特徴

耐久性

セメント瓦

セメントと砂を主原料として加圧成形し乾燥させた瓦です。
いろんなメーカーが機能性の高い瓦を開発しており、従来のセメント瓦に比べて耐久性能・防水性能が高くなっています。セメント瓦は粘土系瓦に比べて安価で、寒暖の影響を受けにくいといわれていますが、粘土系瓦に比べて塗装が劣化しやすいので定期的なメンテナンスが必要です。



粘土系瓦

一般的に日本瓦と言われているのはこの粘土系瓦です。
セメント瓦に比べて耐久力、防水性能が高いですが高価です。瓦にはガラス質に覆われている瓦とそうでない瓦があります。釉薬は瓦に塗り乾燥させることでガラス質の薄い膜になります。そうすることで瓦に雨水がしみこむのを防ぐ役割を持っています。釉薬が塗られることでより防水機能は高くなり瓦が長持ちします。 奈良県にある元興寺(がんごうじ)の屋根には、1400年前の瓦が今も現存し、現役で使用されています。


耐熱性

瓦が他の屋根材と大きく違う点は、瓦と屋根下地との間に空気層があることです。瓦屋根の工法の場合は、屋根下地と瓦の間に空気層があり、熱が屋根下地に伝わりにくい構造になっています。
日本の夏は高温多湿になる気候です。昔は、エアコンがなく暑い夏をどう過ごすかを考え家はつくられていました。そのため日射から快適に過ごすために、瓦が使用されてきたのです。この空気層の役目は、窓に使われるペアガラスと同じです。ガラスとガラスの間に空気層を断熱材のように使うことによって、熱や冷気をシャットアウトします。 瓦屋根の工法も同じということです。


防音性

意外と気になるのが雨音です。屋根材の違いにより、落ちてくる雨音が違います。
例えば、金属製屋根の場合は叩きつけるような音になります。しかし、瓦屋根は素材が粘土(土)なので、音の吸収性が高いです。
伝統的な日本家屋のあの深々とした静けさを、思い出してください。瓦屋根は激しい雨さえ気にならないほど、優しく物音を吸収してしまいます。「わびさび」を基調とする静の日本家屋の様式を、瓦は支えてきたといえます。